ナマステ!
ティルヴァンナマライに来て行きたかった場所。
1つは沈黙の聖者と呼ばれたニャーナヨギのラマナが過ごしたラマナアシュラム。
もう1つはラマナが籠って瞑想していたアルナチャラ山の洞窟。
ティルヴァンナマライでは、できるだけ心静かに、お買い物や食事のことなどで忙しくならないように笑、瞑想に取り組む時間をもちたいなと考えていました。
到着して最初に訪れたのは、ラマナアシュラムのサマディホール。
夕方のチャンティングが行われている最中でした。
チャンティングしている方達からは少し離れた場所に座り、ゆっくりと呼吸をして、静かに目を閉じます。
ホールに響く祈りの歌。
腕が、脚が、お尻が、どんどんフロアに沈んでいくように感じられ、「ここは特別な場所だ」とすぐに感じました。
まるで別の惑星にでもいるかのように、ここだけ重力が強い気がして、体が自然とグラウンディングしていきます。
体が落ち着くと、自分の体が自分のものでありながら自分とは切り離されたものであるかのようにも感じてきました。
1時間姿勢を変えることなく座り続けていたのに、股関節の圧迫感や足の痺れも、なんだか他人事のような感覚で、「痺れてるんだ〜へぇ〜」という客観的な意識。
長く座れば座るほどに、この体の安定感が心地よく、姿勢を変えたくない、解きたくない、このまま座り続けていたいと思いました。
瞑想できていたかといえば、そこまで意識が集中できていたわけではありません。
ただ、この場所が持つパワーに体が反応して、圧倒されたという感じです。
目を開けると隣に大きなラマナの写真が飾られていました。
その優しい眼差しに見守られている気がして、刹那「わたし、これでいいんだ」って、それから安堵感で涙が出ました。
翌朝、ラマナアシュラムの裏手からアルナチャラ山へと出かけました。
アルナチャラ山へ入る道はいくらでもあって、ラマナアシュラムからのルートは、洞窟への道がわかりやすく整備されているというだけです。
途中、山の上から見たティルヴァンナマライの景色。
少年だったラマナが、この場所へ引き寄せられて来た日のことを想像します。
ラマナが瞑想した3箇所のうちの1つSkandasmamに到着。
8:15に開門で、短いプジャがあります。
その間にも続々と開門を待っていた人たちが、ラマナの瞑想した部屋へと入っていきます。
国籍は様々。
インド人はもちろん、西洋人や日本人の姿も。
みんな静かにその場所へと身を置く、という感じです。
わたしは、昨日、体が勝手にグラウンディングしていった感覚を、洞窟でも同じように味わいました。
ティルヴァンナマライで何か特別なことが起こることを期待しないようにしていました。
何も起こらなくても、ただ、この場所を感じて、あるがままを受け入れようと思っていました。
でも、アルナチャラ山の持つエネルギーはすごかった。
少しずつ体とともにマインドも安定して、内側に静けさが現れました。
なんとも言葉で表現しがたいこの感覚。
体を動かしたくない、考えごともしたくない、呼吸ですら邪魔に感じる、
あぁぁぁぁ〜
って感覚です。
まだまだ瞑想の域に達したなんて思ってはいません。
でも、この「あぁぁぁぁ〜」って感覚とともに、「全ては調和の中にある」という体感がありました。
頭での理解を超えて、ほんの一瞬、体験がそこにありました。
そうか、世界は完璧だ。
日々、いろいろな出来事に右往左往して傷ついたり不安を抱えたり時に怒ったりしても、人生という大きな流れの中では、受け取るもの手放すものが上手く組み合わせられていて、そこには良いも悪いもない意味(理由)があって、ちゃんと次に繋がっていくんだって。帳尻合ってるんだって。
だから、「自然の流れに身を委ね」なんて、どこかで聞いたようなセリフだけれど、本当にその通り。
結局100%わたしの期待通り希望通りにものごと進まないことを理解したら、「おまかせ!」の意識がどれだけ大事か。
おまかせしたら、肩の荷降ろしてリラックスして、今目の前のことに全力で没頭できそうですよね。
霊感とかオーラとか、そういうスピリチュアルな世界のことはよくわかりません。
体験したことがないので、わからないとしか言いようがないのですが。
でも、この世界に、少なくとも人間に、フィジカルとメンタル、それ以外にエネルギーが大きく働いているということ。
それはハッキリと「ある!」と断言できます。
今回のティルヴァンナマライ滞在で、このエネルギーを力強く感じることができたのは素晴らしい体験でした。
早くから予約していた宿が、支払い直前に急な値上げ(ダブルプライス)をしてきて、キャンセルせざるを得なくなったのですが、これもまた幸いなことに、滞在日程を再調整したりアシュラム近くのゲストハウスへと場所を変えることもできたのでした。
本当、いったい何に怒り何に不安を抱え何をラッキーと言えるんでしょう。
フタを開けてみれば…後々あのときのあの感情っていったい…と思うことだらけなんでしょうね。
ティルヴァンナマライはとてもパワフルな場所で、是非再訪したいと思っています。
が、アシュラム生活をしばらく送っていたわたしには、人が多過ぎました。
ちょうど混み合う時期に訪問したようです。
次回はオフシーズンを狙って行けたらいいかな。
でも、短い滞在の中に溢れる貴重な体験でした。
ありがとう。
Natsumi