サワディーカー!
とうとう旅の終わりが近づき、チェンマイを出るときがやってきました。
マッサージ学校の先生たちにお別れをして、大荷物を抱えて列車駅へと向かいます。
もう路線バスを使えるような荷物の量ではありません。
おとなしくGrabタクシーを使います。
チェンマイゲート近くのゲストハウスから列車駅までは20分ほどで81バーツ。
少し渋滞していたので大丈夫かなと心配しましたが、発車時刻の30分前には到着し、すでに待機していたバンコク行き52番列車に乗り込みます。
数段のステップを登らないといけないため、重たいスーツケースは駅員さんが車両に乗っけてくれました。「何この重さ?!」って顔しながら。笑
車両内は通路を挟んで両側に二段ベッドが配置されています。
インドの列車と比べると小さめのつくり。バスくらいの幅。
荷物置き場がありますが、わたしのような大荷物だと周りの方たちの荷物置き場に気兼ねしちゃうくらいのスペース。
でも、幸いなことに、周りは小さい荷物の方たちばかりでした。
シートは、この後ベッドに変わるだけのことはあって広め。
ボストンバックを置いても余裕で座れちゃう大きさです。
いちいちインドと比較しちゃいますが、あぁ広いな〜と思います。快適。
チェンマイを定刻15:30に出発。
わたしの席は寝台車両の中では最安の席。Non-ACの上段シートで531バーツ。日中は向かい合わせのシートに座って車窓から外の景色を眺めることができます。
窓が開くので、少し乗り出して写真を撮ってみたり、駅で売り子とお買い物が出来たりします。
20バーツのオムレツライス。小銭を切らしてたら向かいの席のおばちゃんが買ってくれました。
コップンカー!m(_ _)m
食堂車もあるし、夕飯の注文も取りに来てくれるのですが、列車内で売ってるものは高い!
ので、列車に乗り込む前に買っておくか、途中の駅で買うのがおすすめ。
2時間ほど走ると少し大きめの駅に止まり(名前わからず)、そこで30分ほど停車していたので(長い!笑)、ごはんを買う時間は十分にあります。
2月末のチェンマイ、午後発の列車。
エアコン無しでも、特に問題ないと思います。
もちろん列車が止まれば風はなくファンが回っているだけなので、若干暑いは暑いですけどね。
でも、バンコクのような蒸し暑さはないので、大丈夫でした。
そして、そのうち日が暮れて涼しくなってきます。
外が暗くなり景色も見えない19時過ぎ頃になると、ベッドメイキングのお兄さんが現れます。
この人、制服とか着てないんで、最初近くの乗客かと思いました。
でも、全部のシートでベッドつくってたんで、そういうお仕事の人です。
カーテンが付いているので、ちょっとした小部屋感あります。
でもファンに当たりたいので、しばらくカーテンは開けっ放し。上段には窓がないのです。
列車が揺れると落ちるんじゃないかと思うとき、たまにありました。サクがないので、上段は要注意です。
16年ぶりに乗ったタイの寝台列車。
16年前、初めて外国人の友だち(タイ人)ができたピサヌローク駅。
是非駅舎を見たいと思ったけれど、暗いし眠いし、いつ通るのかわかんないし…
冷静と情熱と怠惰の間で揺れ動くわたし。
一度上ったベッドから降りるのが億劫でたまらない。
眠い。本格的に眠たくなってきた。
寝るのが先かピサヌロークが先か。
だいぶふたつのチョイスは拮抗しましたが、次寝台列車に乗る機会がいつになるのかわからないと思い、眠い目をこすりながらドアまで行ってみることに。
すると、ベッドメイキング係のお兄さんが、ピサヌロークまでの時間を教えてくれます。
あと1時間かかるよ、と言われていったんベッドまで戻り、再度ドアまで。
遅れたのかどうかはわかりませんが、ドア付近で30分も待っていると、今度はあと10分だよと。
2分前くらいになるとドアを開けて写真が撮れるように準備してくれました。
ピサヌローク駅での停車時間はほんの1〜2分程度。
駅舎は新しく綺麗に塗り直されていたけれど、昔のまま変わらないホームの高さや柱のかんじに面影を感じて、懐かしくて、懐かしくて、胸が熱くなって、涙がこみ上げました。
まだ学生で外国に行くことがワクワクと興奮でいっぱいだった頃。
タイのトイレには洋式がなくて、サービスエリアのトイレにアメンボがたくさんいた頃。
バンコクやチェンマイのような大きな都市はずいぶん様変わりしたところがあるけれど、ピサヌロークに向かう途中の景色には、あの頃と同じような素朴さがまだまだ残っていました。
一緒に旅していた友人に、旅の思い出話をしたくなりました。
あのとき駅で出会ったタイ人に、ピサヌロークの写真を送りたくなりました。
わたしは、16年ぶりにここに来たんだよ、って。
さっきまでの眠気はどこへやら。
用を済ませてそろそろ寝たいのに、今度はなかなか眠れず。
まぁいいや。
思う存分、別れを惜しみましょう。
Natsumi